ベルディーホール住民企画自主公演事業
多可町歌舞伎クラブ新春公演

　多可町が誇る伝統芸能、播州歌舞伎。その保存と継承活動を行っている播州歌舞伎クラブが新春公演を２月８日に行います。外題は、「御所桜三段目～弁慶上使の段～」です。
　舞台は、侍従太郎の館。義経の正室・卿の君が、この乳人の館で身重のため静養しています。彼女が平家一族の平時忠の娘ということで、義経は兄頼朝から謀反の疑いをかけられていました。ある日、鎌倉方の命により、武蔵坊弁慶が上使として館に現れます。腰元として仕えていた「しのぶ」は、久しぶりに訪ねてきた母親の「おわさ」と楽しげに話していますが、花の井たちが姿を現し「姫君の首討って渡せ」との命令が鎌倉から出されていることを伝えるのでした。しのぶは身代わりを申し出ますが、母親のおわさは必死に拒みます。侍従太郎に詰問され、赤いじゅばんの片袖を見せます。そしてしのぶを生んだいきさつを語りはじめます。様子を立ち聞きしていた弁慶は、いきなり襖越しにしのぶを突き刺します。取り乱すおわさを制し弁慶が片肌を脱ぐと、そこにはおわさと同じ赤い振袖！初めて会ったわが子を、いくら忠義のためとはいえ自分の手にかけなければならなかった弁慶。卿の君の首と自害した侍従の首を抱え、威風堂々と館を去っていく彼の心中は・・。
　多可町の誇り、播州歌舞伎をお楽しみください。